アパレルメーカーのマーケター、大江戸一(おおえどはじめ)の物欲にまみれた日々の記録。デジタルグッズ、PCのほか、インテリアグッズ、デザイングッズなどライフスタイルをリッチにしてくれるものが登場。


by oedohajime

万年筆はWatermanが好きなのだ。フィリアス ミネラルブルーGT。

高級万年筆と言えばモンブランやペリカン、パーカーを思い浮かべる人も多いだろう。
しかし、僕はウォーターマンが好きだ。
ウォーターマン。その言葉の響きに惹かれる。どこか深い森の中で人知れず湧き出ている泉、あるいは洞窟の奥にひっそりと眠っている水の精。
そんなイメージを勝手に持っていたが、実はこの言葉に深い意味はなく、単に創業者の名前だったのである。まったく、いい名前を持ったものである。
さて、その創業者、ルイス・エドソン・ウォーターマンはもともと保険の外交員だった。彼は契約を取り交わす時にペンからインクがこぼれ、契約を逃がしたという経験からインク漏れのない毛細管現象を応用した万年筆を創り出した。
1926年にウォーターマン社は、アメリカからパリに本拠地を移した。そして今でも書くジュエリーとしてその存在感を見せている。

そんなウォーターマンだが、僕は2本の万年筆を持っている。
1本目はフィリアス ミネラルブルーGTだ。フィリアスは「80日間世界一周」の主人公フィリアス・フォッグにちなんで付けられた名前だ。ブルーとブラックが入り交じった独特の色合いをしている。
その模様を見ているだけで、引き込まれそうになるのだ。この万年筆はもう生産中止になってしまった。値段はウォーターマンにしては高くなく、8400円である。
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もう1本はCharlstonのエボニーブラックだ。
チャールストンは1920年半ばアメリカで大流行したダンスに由来している。アールデコを基調とした丸みのあるレトロな雰囲気の万年筆である。
これはフィリアスより高く25200円である。
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しかし、僕はフィリアス ミネラルブルーのほうが好きだ。この価格にしてこの存在感は素晴らしいと思う。

お気に入りの万年筆は単なる筆記道具ではない。
背広の内ポケットからそういう万年筆を取り出すとき、それは武士が刀を抜くときと同じである。
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万年筆というと思い出す店がある。
その店は青山の住宅地にひっそりと佇み、名前を「ペンブティック書斎館」と言う。
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トクサとリュウノヒゲの植わった石の階段を上り、店に足を踏み入れるとそこは日常から遊離された空間である。
ある種の懐かしさを伴った、時空を越えた感覚に包まれる。万年筆は単なる筆記道具ではないと実感できる。万年筆は今まで生きてきた人生の縮図であり、自分の持つスタイルの象徴なのである。
そんな生き方の一部として万年筆は存在する。
そしてまたこの店は本当のホスピタリティが何なのかということを教えてくれる店でもある。

しかし、僕の万年筆はまだ、うわべだけのスタイルである。なぜならこの万年筆には僕と歩んできた「歴史」がほとんどないからだ。
万年筆を手にしただけで、「あの時、そういえば」と様々な光景が浮かんでくる。それが本物である。
これから僕はこの万年筆とともに歴史を紡いでいくのだ。
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Waterman
フィリアス ミネラルブルーGT
Charlston エボニーブラック

このブログは2011年1月にアップしたものです。
前サイト閉鎖のため、新・電脳物欲王として再構築中です。
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by oedohajime | 2011-05-16 20:20 | 筆記具